あの子とあの子の関わり方。

地元の同級生の女の子（つっても歳一緒なので３７、８なんだが）で、ギターを習ってる友人がいます。
俺の知ってる限り、もう６年くらいずーっと習ってるんじゃないだろうか？教室に通ってね。
以前「今度発表会があるんだー」なんて話を聞いてさ。
「いいね！ガンガンに盛り上げに行くぜ！いつ！？」なんつったら「絶っっ対に来ないで！！」なんてお断りされてしまいました(笑)
どうやら人前で演奏なんてしたくないみたい。
なんなら「やりたくないな～」なんて。
「何のために習ってんだよ？」って聞いたら「別に披露なくていいの！私はギター弾けるおばあちゃんになりたいだけなんだから」なんて答えが返ってきました。
後日談で聞いたんだが、なんとその子。
なんかいろいろゴネにゴネて。発表会自体出なかったらしい(苦笑)
事前に出演料みたいのまで払ってたらしいのにね。
もったいね～・・そんなに嫌だったのか。

もう１５年くらい前の話なんだけど。
俺が大学生だった頃、同じ授業受けてた男の子。
もう名前も忘れちゃったけどさ。
彼はギターやってるみたいで、だんだん話とかするようになって。
俺は当時バンド組んで、たまにライブハウスなんかにも出るようになっててさ。
会うたびに、自分は今ギターの勉強中であーだこーだ、って。
いっつも楽譜とか教本とか持ち歩いてて、なんか専門用語とか憧れのギタリストとかバンバン出して、熱心に音楽について語ってくれました。

で、いっつも「渡瀬くんはバンドやっててすごいねー！」って。
「僕もいつかバンドやりたいんだ！」なんて。キラキラした目で。
「もうメンバー探して組めばいいじゃん」なんて俺は言うんだけど。
「いやいやいや！僕はまだ勉強中だから！もっと上手くならないと！」って。
そこからまた、熱く音楽やギターについて語ってくれるのです。キラキラした目で(笑)
すっごい音楽に詳しそうだったし。見た事はないけど、もう結構ギターだって上手いんじゃないだろうか。
「今は作曲と音楽理論も勉強し始めたんだ！」なんて。
それから大学卒業まで。
ついぞその彼がバンドを組んだ、なんて話は聞かなかったな(笑)

なんか好感持てる男の子だったんだよね。
俺のこと、すっごい持ち上げてくれるし(笑)
「俺、音楽理論とかなんにも分かんないけどオリジナルの曲とかやっちゃってるけど・・」
「渡瀬くん、それすごいよ！天才なんじゃない！？」
「あはは・・(乾いた笑い）」
とか。
俺がちょっとマニアックなパンクバンドでも言おうもんなら
「さっすが！すごい詳しいよね！やっぱり音楽やるならいろいろ掘り下げて聴かなきゃダメだよね！」なんて(笑)
「そんなことないよ。〇〇くんも早くバンドやればいいじゃん」
「ダメダメ！僕なんて渡瀬くんと違って全然まだまだだから。もっと勉強しないと！」
身長１８０センチくらいある、スラっとしてカッコいい感じの男の子だったな。

あれから１５年。
彼は憧れだったバンドを組んだんだろうか？
・・たぶん、今でも「勉強しなきゃ！」って。頑張ってそうだよね(笑)
でもなんだか、いつも熱心に楽しそうにしてました。
今思うと、彼にとってはそんなんが一番楽しい音楽への関わり方だったんじゃないかな～？
なんて思います。
地元の同級生の女の子もそうだよね。
それぞれの音楽への接し方があるのでしょう。いいじゃないですか。ギターの弾けるおばあちゃん。

今日はふと思い出したから、そんな話。




俺の関わり方。