僕は兼業ミュージシャ・・じゃない、家具屋です。

ミュージシャンだから、つって。別に偉い訳じゃないよね？
アーティストだから、つって。上って訳でもないじゃない？
なんつーか。世の中に数ある職業のうちの１つだと思うんだよね。
漁師さん。農家。接客業。建築業。ふっつーのサラリーマン。プロレスラー。家具屋。
音楽家だって、一緒じゃないですか。どれが偉い、なんて無いはずでさ。
俺はこれがカッコいいと思う！とか、この職業がすごい！ってな、個人的な思いは抜きにしてね。

世の中が移り変わっていく中で、衰退していく、無くなっていく、ってな仕事もあるよね。
ちょっとさみしい気もするが、それは仕方ないことで。
利便性とか合理性とかを考えたら、当然なことで。
最近、銭湯が減ったな～。とか。なんなら地方の職人に継ぐ若者がいない、とかさ。
でもそれって、誰が悪い訳でもなくてさ。
例えば一生懸命それまでひとつの商売をやってきて、すごい儲かっていい時もあったけど、もう食うのも大変になってきた、ってなったらさ。
仕方なく廃業するとか、他の仕事を探すとか。
普通は誰のせいでもなく、自分の責任って考えるよね？

ちょっとネットで目にしてね。
「ダウンロードじゃなくて、ＣＤを買って！」ってな事をネット上で主張したミュージシャンがいて。
それに関していろんな意見が出てきてるってな話。
ＣＤが売れないと、お金があんまり入らなくて。次の音源をつくるのもままならなくて大変みたい。
だから皆さん、できればＣＤを買ってください！って。

な～んかね。ど～うもね。
俺はちょっと違うんじゃないのかな～？なんて、思うんだよね。

単純に。お金が欲しかったら何か仕事してお金もらって。それで音楽やればいいんじゃない？
なんて思っちゃうんだよな。
何も音楽だけで稼がなくってもいいんだからさ。
「音楽だけに没頭した方がいい音楽が作れるから、他の仕事は・・」ってな理由なのかもしれないけど。
そうかな～？俺は仕事しながら音楽やって、それですごいカッコいいのやってる人やバンド。いっぱい知ってるからさ。
どうもそんな風に思えないんだよね。

ミュージシャンが稼げなくなってきた！ってな時代らしい。
でもそれはさー。銭湯が町から減ってきた。とか、プロレスラーの生活がつらい！とかと同じなんじゃないの？
みんながダウンロードばっかして、ＣＤを買わないから悪い！とかじゃなくて。
衰退してきた仕事、として仕方ない事なんじゃないの？

俺がさ。
「オーダー家具が売れなくてお金が無い！このままじゃ家具業界が衰退します！みなさんニトリやIKEAで家具を買わないでください！」
なんて言い出したらカッコ悪いよな～。
もしこの先、自分の商売が行き詰まっていよいよダメになったら、誰のせいにもしないで幕を引くもん。たぶんね。
時代に合うものが作れなかった、ニトリやイケアを超えて欲しい！と思わせる家具が作れなかった俺が悪いって思うよ・・たぶんね。

ちょっとみっともなくない？なんて思っちゃったんだよね。
気持ちは分かる気がするんだよ。
たぶんミュージシャンなんて、今までそうとういい生活を送ってたんだよね？
それがだんだんできなくなってきたら、文句言っちゃう気持ちは分かるもん。
でもそれって、天下りする高級官僚みたいなもんで。
政界の構造が変わると、音楽業界の構造が変わると、美味しい汁が吸えなくなっちゃうって。
そういう事でしょ？

音楽業界が衰退・・ホントに衰退なのかな？淘汰されはじめた、って事にもなるんじゃないかな？
俺はいい音楽、素晴らしい音楽ってのは、このままいっても、こんな状況でも。
この先もどんどん生まれてくるって思うんだよね。
かっこいいー！って思う音楽なんて人それぞれなんだしさ。そこらじゅうに音楽が溢れかえってるじゃない？
それこそ、音楽でご飯を食べずに音楽をやる人たちだって星の数ほどいるんだし。
そいつらやる音楽だって、マジでカッコいいぜ～。
個人的な事を言わせてもらえれば、いいとこ住んで、いいもん食って、いい車乗って、いい女連れて。
お金持ってる奴がやるロックなんて、あんまり興味無いしね。俺はね。
お金がなきゃ音楽続けられない、音楽で食べられなきゃ音楽続けられない。
そんなミュージシャンが音楽辞めちゃったとしても。
それが皆さんの好きなミュージシャンだったとしても。
ＯＫ！俺が代わりにカッコいいのいっぱい教えてあげるよ。
ちょっとやそっとじゃ、聴ききれないぜ？