安藤幸典くんの話。

土曜。特にやることも無く。夕方に釣具屋に行って帰ってきて。
うわ。やばい。このまま何もせずに休日が終わる！と。
何かしなければ！と。
でも思いつくのは地元の友人、イケメン獣医（こう書くとすげー嫌がる）のアンちゃん（３３歳独身。彼女なし）にメールするくらいで。
「今日いきなり飲もう、なんつったらどう？」なんて。
「いいよー」・・さすが。
もう地元の友人でも後輩でも、みんなこんな歳ですからね。
いきなり「今日ひま？」なんて言っても、相手してくれる友人はめっきり少なくなりました。
アンちゃんと、あと思い当たるのは数人くらいかな？
できることならこのままアンちゃんには結婚などせず、いつでも俺の相手をできる状態でいてもらいたいもんです。
「ふざけんな！」って声が聞こえてきそうだが。

普段お酒を飲むときは決まって駅前の和民に行くんだが、この日は２人だしって事でオシャレな店に行ってみよう！なんてことになりました。
まぁ俺らのオシャレなんか、たかが知れてるもんだが。
個人経営のこじんまりした小ぎれいな飲み屋さんなら、オシャレです。

で、前にアンちゃんが１度行ったことがあるっつー飲み屋さんに入って。
そういや２人で飲むなんて、かなり久々だな。
まぁしゃべる内容はいつもと変わらないんだけどさ。たまにはいいもしれない。
俺らはいつも「飲もう」ってなったときは、仲間内の知りうる友人に片っ端からメールしちゃうからね。
店員さんの女の子が近寄ってきて「あれ？どこかで見たことある・・城山中学校でしたか？」なんて。
聞けば俺らの１つ下で同じ中学に通っていた、と。
俺らはたいそう驚いてね。
俺もアンちゃんも、後輩に知られるような目立った存在なんかじゃ全然なかったからさ。
サッカー部のお調子者のチビ（俺）と、地味な科学部のデブ（アンちゃん）です。
・・彼の名誉のために言っときますが、アンちゃんは今は痩せて立派なイケメンになってます（こう書くとすげー嫌がる。「ハードルが・・」とか言いやがる）
しかしこんなんでも、覚えてもらってた、なんつーのは嬉しいもんだな。
人の顔を覚えてるのが得意な人ってたまにいるよね。
それ、結構いい才能だと思うな、俺。頭が良くなきゃできないだろうしね。