代表の座。

高校野球の決勝だってね。
まーったく興味無いんだが、決勝に行ったのが東海大相模だってね。
いやいや、母校でもなんでもないんだが、俺、大学が東海大だったからさ。
なんつーか。うん。母ではないが、親戚のおばさん、くらいな。そんな気持ち。

この前のワールドカップとか。オリンピックとかさ。なんでもいいんだが、大きいスポーツの試合かなんかやってっとさ。
「あー！俺も何かの代表になりたい！！」って思います。
俺だけ？思うよねぇ？？どう、みんな。

代表になって。まぁ要はあれね。応援されたい！っつー。

「渡瀬ガンバレ！渡瀬ガンバレ！」と大勢の人に応援されてみたい！
日本中の期待をこの両肩に託されてみたい！
スポーツに打ち込む子供たちの、憧れの的になってみたい！
地元の人たちが「渡瀬応援団」を作って、町の寄り合い所に大画面テレビを置いて、みんなに俺のプレーを一喜一憂されてみたい！
最前列の真ん中の席は俺の両親だ！
ゆくゆくは取材で知り合った女子アナと盛大な結婚式をあげたーい！！

なんて思います。まぁ今のは８割がた冗談だが。いや、６割がた。
いや。８割がた本気。

大勢の人に応援されるのって、どんな気分なんだろうな～。
プレッシャーも、もちろんあるだろうが、いい気分に違いない。
いいな～。憧れちゃうな。
しかし果たして、この年齢から何かの代表になれるんだろうか。
そこは、まぁ。なぁ。
そう！努力ですよ！真剣に努力して打ち込めば、今からだって遅くないはず！
あとは種目だな。なるべく競争率が低いやつを選ばないと。

「おしり割り箸折り選手権！日本代表、渡瀬祥之！」
「国内のタイトルは総なめ。国内の割り箸も総折りにした男が今、世界に羽ばたく！」

こんなところか。
そして惜しまれつつ引退。
長年の現役生活で、俺の身体はぼろぼろになっていたのです。
女子アナと結婚はできませんでした。ケツ穴に血痕はできました。