本の事。

本を買ったのよ。３冊。
特に理由もないのよね。たまたま暇で入ったブックオフ。安いやつを。
俺は音楽、ＣＤなんかは「今これ聴いてるよー！」っての、大声で叫びたいタイプなんだが、本はね、どうも、ね。
何読んでるか、読んだが、って発表するの、すげー恥ずかしいんだ。
なんでだろな。きっと自分の読んでるやつに自信が無いんだろう。
本の事なんか、からっきし解ってないからね。

なんかこう、偏見なんだろうが。「若い頃に読まなきゃダメ」みたいな意識があるんだよな、俺。本って。
なるべく純粋なうちに読んだ方がいい。頭真っ白なうちに読んだ方がいい、ってな勝手なイメージがあります。
もしくはアレだな。「頭いい奴が読む。バカが読んだって仕方ねぇ」みたいなね。
想像しなきゃいけないじゃない？場面場面の絵を。頭ん中で。
それ結構、頭使うよね。バカじゃできないよな。漫画だとそこが楽なんだろ？
本を読むとき、頭の中で絵を浮かべるような、そんな感じで読みます。
まぁ、小説とかストーリーがあるもんに限るんだが。
俺だけじゃないよね？そんな読み方してるの。

あとはほーんのちょっと、アレね。
「本読んでます」なんて言ったり、そんなオーラ出したりすると、やっぱりちょっと、頭いい、なんてイメージあるじゃん？
それがね。俺なんかがやると、「こいつ頭いいアピールしてるぜ～」なんて思われんじゃねぇの？
あざとい、ような。そんな感じになっちゃうんじゃねぇの～？
なんて、思っちゃいます。
勘違いな上に、自意識過剰ってのは重々承知なんだが。

どう？俺とか。過去、本読んでる(た)ように見える？
ものすごい大量に読んだ訳じゃないが、読んでない事はないよ。ないと思うけどな～。どうなんだろ？
「えっ？本なんて読んでたの？意外！」とも「あ～、なんかそんな気はします」とも、両方言われた事、あります。

筒井康隆さんって人の書いた『あなたと夜と音楽と』って短いお話があるんだが、それがなーんか、好きでね。
八郎っつーヤクザに成り下がった、陰鬱な感じの男の話。
「音楽学校さえ出てりゃなぁ・・」ってつぶやくのが口癖でね。

俺もときどき、思うんだよね。
「あと１０センチ、背が高かったらなぁ」って。
全て、うまくいく気がするんだ。
見た目もマシになるだろう。ドラムだってもっと上手く叩けるし、ギターを弾いてもさまになるよ。
革ジャンだってもっと似合うし、スポーツだってできただろう。オモロイ事も、もっと言えたんじゃない？仕事ももっと、うまいこと。
そんで、その～・・人並みくらいの恋愛とかだって。
ぜ～んぶ。うまくいく気がする。

コンプレックスっつーか。憧れとか。そんなんい近いかな？
みんな子供の頃したでしょ？「あたしがアイドルになったらどうなるだろう？」って。そんな感じ。
その想像でその自分、うまくいってるでしょ？
頭の中で、うまくいってる絵が描けてるでしょ？

やっぱり俺には恥ずかしいな。自分の読んだ本の事を話すのは。
これからも、きっと。こっそり。
ひとりで想像しながら、読むんだろうね。